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本と映画の感想と雑記の記録

できるだけネタバレなしで本や映画の感想と評価をしていきます。あとおまけで雑記を・・・

ジャンル:本・解説・小説  売れる作家の全技術 評価:★★★★☆

★★★★☆ 小説 解説本

 

 

 200以上ある文学新人賞から毎日多くの作家が誕生しているが、数年後に残るのはわずか数パーセントにすぎない。30年以上にわたりトップを走り続ける著者が、作家になるために必要な技術と生き方のすべてを惜しげもなく公開する小説講座の決定版。

 

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    今回は小説技法に絞った解説本となります。この大沢在昌は「新宿鮫」を代表するミステリー・サスペンスの作家です。そしてこの本を読んだ感想といたしましては・・・

 

 基本を解説した本でなく、実際に作品を作った、または作ろうとしてるけどなかなか上手くいかない、作品を作った経験がある人向けの応用本です。

 

 この本は大沢在昌が講師を務める講義を受けている学生に対し、テーマを与え実際に学生たちが書いた本を添削しながら、作品を作るうえで必要な点や駄目なところを解説していく形式となっています。そしてその添削なのですが・・・結構辛辣です。「絶対に人を感動させることが出来ない小説」「正直失望しました」とか目の前で言われたら泣きそうなレベルのことボロクソに書かれてます。これ学生陰で泣いてないかな・・・大丈夫かな・・と不安になるくらいです。

 

 さて、この本がなぜ応用向けの本なのかということですが、本の内容として学生が作った作品を添削する一方で、投稿した学生たちが作品を作るうえでの疑問点を質問し、それに答えるパートがあります。実際に作品を作っている人の質問であるため「改行はどこですればいいの?」「書きやすいジャンルって何ですか?」みたいなものでなく「嫌なキャラクターというのはどのように書けばリアリティのある嫌なキャラになるのか」「視点の乱れをしないようにすればどうすればいいか」など、作品を作るうえで躓きやすいところを解説しています。

 そして作品添削についてですが、各投稿作品ごとに添削がされているため、同じテーマの作品でも添削内容も十人十色です。「幼稚園児の一人称視点なのに使われている言葉が大人すぎる。年齢相応のセリフにしないといけない」「一度しか会ってない相手に[私が見た最後の姿だった]なんて使わない。」など、聞けば当たり前に聞こえることも、製作中には気づきにくい点を随時解説しています。

 全く作品を作った経験がない人には「へーそうなんだー」程度になるでしょうが、経験がある人には「ああ、だから書いてる文章がいまいちピンとこなかったのか!」という気づきがあると思います。その意味でも応用向きの本なのです。