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本と映画の感想と雑記の記録

できるだけネタバレなしで本や映画の感想と評価をしていきます。あとおまけで雑記を・・・

ジャンル:動物・社会派   ペット殺処分 ドリームボックスに入れられる犬猫たち   評価:★★★★☆

動物 ★★★★☆ 社会問題 小説
ペット殺処分---ドリームボックスに入れられる犬猫たち (河出文庫)

ペット殺処分---ドリームボックスに入れられる犬猫たち (河出文庫)

 

日本では大切な家族の一員として可愛がられる犬猫がいる一方、「もう飼えない」「飽きた」という飼い主の都合で膨大な量の犬猫が捨てられている。捨てられたペットが行き着く果ては“殺処分装置”ことドリームボックス。「眠るがごとく…」の笑えぬ揶揄から名付けられた装置に送り込まれて息を止められた後、焼却される命たち。殺処分義務を強いられる動物愛護センター職員の日常を追った衝撃作。

 

 この本のタイトルを見たとき、動物愛護センターの職員の活動を追ったノンフィクション本だと思っていましたが、中を読んでみるとノンフィクション風フィクションストーリーでした。ただ読んでいて思ったのは「登場人物だけは仮名で、それ以外はノンフィクションなんだろうな」といったものです。

 

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 様々な感情を抱きながらも業務として殺処分を行う職員。保健所持込を減らすため様々な活動をするが一向に減らないペット持込。そして残酷だの教育に悪いとクレームをいれてくるPTAや愛護団体・・うん、ノンフィクションですねこれ

 この本で登場人物たちが終始抱えている葛藤が「愛護センターのような存在があるから気軽にペットを捨てる人間がいるのではないか」というものです。作中でもペットをタダで預かれ、無料で邪魔になったペットを処分してくれる施設だと紹介されたとセンターに電話をしてくるシーンがあります。そして毎日施設の前にダンボールで捨てられたペットたちが置かれます。常に葛藤を抱えながらも殺処分をしなければ施設がパンクしてしまう、そして自分たちが殺されることを察して必死に助けを求め、ガス室への移動を拒む犬たちなど、終始やるせない展開が続きます。希望なんてないよ?

 

 この中でも紹介されている話なのですが、保健所では保護されたペットをHPに掲載しており、それを見た飼い主が引き取りのお願いをしてくることがあるのですが、引き取り手数料と保護間の餌代を支払う必要があります。大体4~7千円といったところなのですが、それを聞いた途端電話を切って二度と来なかった、といったことも語られています。

 

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 また保健所では保護されたペットの引き取り会も定期的に行っていますが、引き取りが決まった後、講習を受ける必要があります。内容はしつけ方や去勢・そしてペットに関する法律などの講習ですが、老夫婦が引取り決定後に用事が出来たといって講習を受けずに、後日受けるからとペットだけ引き取ろうとします。センター側は講習を受けてもらえないと引渡しは出来ないというと、融通が利かない役所だと行って二度と来なかった、というものもありました。後からするっていうやつは大体やらないのは常識なんですよ。残念ながら・・・

 もしペットを初めて飼おうと思うのなら、先にこの本を読んでください。嫌と言うほど人間の暗部を見せられます。それでもなお飼おうという決意が残っているのなら、これら愛護センターにペットとともに来訪する機会が無いことを願います。

 あ、でも本の紹介にフィクションと書かれていなかったのでマイナス1点してます。そこはちゃんと書いていて欲しかった。